徳洲会国際心臓血管セミナーIN葉山
企画委員長
新田 隆
医療法人徳洲会 心臓血管外科顧問
羽生総合病院 循環器統括顧問
今回のセミナーではメインテーマをProgress in Coronary Artery Disease Managementsとし、重症冠動脈疾患や治療難渋例に対する外科治療に焦点を当て、最新の研究成果や各種治療法の進歩を共有し、意見交換を図ることとしました。安定した冠動脈疾患に対しては、外科治療もカテーテル治療も治療手段としてはほぼ確立されていますが、機械的合併症や広範囲の心筋虚血のためにショック状態に陥った心筋梗塞の重症例に対する治療成績はいまだ満足いくものではなく、治療体系も確立されていません。近年、このような重症例に対して術前後に経皮的補助循環用ポンプカテーテルによる補助循環を行うことにより、周術期の心機能を補助して循環を維持するだけでなく、左室内圧を低下させて冠循環を維持させることにより不全心の回復を積極的にサポートし、従来は外科治療が成功しても心機能が回復せず救命できなかった症例が救えるようになりました。他にも、手術術式や周術期管理などに多くの進歩や改良があり、重症冠動脈疾患や治療難渋例に対する治療法は大きくパラダイムシフトを遂げています。
セミナーでは、国内はもとより米国、カナダ、中国、ASEAN諸国から多くの医師や研究者を招聘して講演や討論をお願いしています。最先端の治療技術の理解を深めることが、冠動脈疾患に対する日常診療に役立つことを期待しています。